そもそも朱肉って何?
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朱肉とは、はんこを捺す際に使われる赤色の印肉のことです。
はんこを捺すために必要不可欠なもので、そのほとんどが朱色なので朱肉と呼ばれていますが、厳密に言えば赤や紫がかったものなど色はさまざまです。
プラスチック製の容器に入ったスポンジタイプの朱肉が一般的ですが、焼物や金属製容器に入った練りタイプの朱肉もあります。近年では、印肉を入れる容器である「印池」も含めて「朱肉」と呼ばれるようになっています。
朱肉発祥の中国では「印泥(いんでい)」と呼ばれていて、印泥の主な材料は水銀朱と油で、そこに線維質を混ぜてよく練り上げたものです。水銀朱を原料とした色は美しく、変色もしないため、昔から高貴な色として扱われてきました。これは現在でも、神社やお寺などで朱色に塗られたものが見られますが、その名残と言われています。
朱肉にはどんな種類がある?
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朱肉は大きく「練りタイプ」と「スポンジタイプ」のものとに分けることができます。
練りタイプの朱肉
もともとは「印泥」というものでした。油に松脂や木蝋などを加えたものに、顔料を混ぜて、線維質を加えて練り上げたものです。
保存が悪いと腐ったり、長時間使用しないと乾燥して固まり、乾燥した土のようになることがあります。完璧に乾いてしまうと使えなくなってしまうものが多いので、ときどき混ぜてあげる必要があります。
このように保存に手がかかる、練りすぎると柔らかくなりすぎたりするという難点があります。また、乾きが遅いのも特徴です。
ただ、退色がないため、印影の長期保存には向いているので、長期に保存しておく重要書類には最適といえます。
スポンジタイプの朱肉
スポンジタイプの朱肉は、植物油、合成樹脂、顔料を混ぜ合わせて朱油というインキ状にしたものをフエルトやスポンジに染み込ませたものです。
従来はなかなか乾かないものばかりでしたが、最近では速乾性のある乾きが速いタイプのものもあります。取り扱いがかんたんで、インキがなくなったら専用のインキで補充ができるものもあり、長く使えます。
ただ、練りタイプの朱肉に比べると印影には厚みがなく、退色しやすいため、長期保存のものには少々注意が必要です。
スポンジタイプの朱肉は一般的に事務用品として使われる「スタンダードタイプ」と、印影の浸透乾燥が早い「速乾性タイプ」があります。
速乾タイプのおすすめ朱肉
「速乾シヤチハタ朱肉コンパクトタイプ30号 【箱タイプ】 黒」はなんと乾燥時間約3秒という速さを誇ります。
速乾でありながら、印影をくっきりと残せるスポンジタイプの朱肉です。インキの顔料粒子をナノレベルまで小さく開発し、ムラなく均一にさせることで朱油の乾きを速くなりました。
デザインは深澤直人氏によるもので、一般的な朱肉のイメージである円形ではなく、丸みを帯びた四角形となっています。持ち運びに便利なコンパクトサイズで、蓋が本体と一体となっているので、外れる心配もありません。
深澤直人氏は、日本を代表するプロダクトデザイナーで、無印良品デザイナーであり、2014年からは多摩美術大学美術学部統合デザイン学科教授をされています。
スタンプ台と何が違うの?
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ちょっと見は同じような赤に見える「朱肉」と「赤いスタンプ台」ですが、成分が違うのではんこを捺す時に朱肉が見つからないからといってスタンプ台で代用することは避けましょう。また、朱肉のインク補充をする際も、同じメーカーにするようにしましょう。
朱肉が良ければはんこの捺し心地も違ってきます。
仕事が事務関係でない方はあまり使う機会がないかもしれません。しかし、いざ使おうとした時に捺し心地が悪ければ「そろそろ買わないと…」と思うはず。そう思ったときが買い換えのチャンスです。
はんこを捺すのはほんの数秒かもしれませんが、はんこを捺すのは決まって重要書類です。朱肉ひとつで捺し心地も違ってきます。ぜひ、いい朱肉をひとつ、持っておくことで気持ちにも余裕が生まれるはずです。
- シヤチハタ
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