感謝の気持ちを表す贈答品
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毎年、お中元・お歳暮の時期になると決まって、今年はどうしよう…と頭が痛くなるものです。
そもそもお中元やお歳暮は「贈らなくてはならないもの」ではなく、お世話になった人に感謝の気持ちを表すという習慣。
最近では両方の負担になるからということで止めてしまったり、贈ること自体が次第に少なくなってきています。
しかし、昔ながらのしきたりに沿った贈答を大事にしている人達もまだ多くいます。
贈答の習慣は、日本人らしい細やかな気遣いが込められたひとつの文化です。少しずつ忘れ去られている日本らしい文化を取り戻そうとしている今、もう一度、冠婚葬祭の贈答マナーについてみていきましょう。
「冠婚葬祭」が持つ意味
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まず、「冠婚葬祭(かんこんそうさい)」は、昔からある冠・婚・葬・祭の4つの儀式を表しています。
■冠の行事
「冠(かん)」は、元服の儀式という意味を持ちます。男子が元服した時に、宮中・公家では冠(かんむり)を、武家では烏帽子(えぼし)をいただいてつけた儀式に由来。出産から長寿まで人生の節目のお祝い行事全般をさします。
出産祝い、お宮参り、初節句、七五三、入学、就職、新築、長寿のお祝いなども含まれます。
■婚の行事
「婚礼」に関わる儀式という意味を持ちます。
結納や挙式だけでなく、お見合い、披露宴、婚姻届、結婚記念日なども含まれます。
■葬の行事
「葬式」に関わる儀式という意味を持ちます。弔い事全般を総称したものです。宗教によっては独自の決まりがあります。
臨終から通夜、葬儀、告別式、法要なども含まれます。
■祭の行事
日本古来の神事や宗教などの儀式という意味を持ちます。
元旦、初詣、お盆、正月、七夕、節分、お彼岸、お中元・お歳暮なども含まれます。
冠婚葬祭 贈答のマナー
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贈答品の基本は、贈る「もの」ではなく「気持ち」を伝えることにあります。
ですから、理由もないのにいただいてしまうと相手は「なんでもらったんだろう…」と悩むことになりますし、中には「迷惑!」と思われてしまうこともあります。
まず、贈答にはタイミングがあります。ですから、早すぎても遅すぎても気持ちが相手に伝わりません。
また、贈答理由が相手にわかるように表書きや挨拶状などで、はっきりと伝えることも大切です。相手もすっかり忘れてしまうこともあるので、表書きを見て「ああ、お見舞いのお返しだったのね、そういえば退院したって言ってたわね」という具合に理解してもらえます。
贈るものを選ぶのは誰にとっても難しいものだと思います。相手に喜んでもらえそうなものといっても、親しければ好みがわかりますが、そうでなければわかるはずもありません。あれこれ思い浮かべ、記憶をたどりながら選ぶことになりますが、これは至難の業です。
相手へ直接持っていくのが正式ですが、今は配送が一般的です。表書きやメッセージを添えることも忘れないようにしましょう。
年の半ばと最後に、お世話になった人に感謝の気持ちを表すという習慣が、お中元・お歳暮です。一度贈ったらそれ以降も贈り続けるのかどうかは、相手との関係で決まります。縁が薄くなってしまっているのなら、控えるのも◎。
ただ、お中元を贈ったらお歳暮も贈るというのが一般的になっているので、やめるのならお中元からストップするようにします。
便利なスタンプを利用しよう
のし袋や祝儀袋への表書きを手で書く場合は、曲がったり、緊張のあまり漢字を間違えたりすることもあり、苦労するもの。
そんなときポンと捺すだけできれいな文字が現れるスタンプがあると重宝します。
贈答のマナーは、一応は知っておくべき事ですが、形に捕らわれることはありません。贈答は「日ごろの感謝の気持ち」です。しきたり通りにしようとこだわりすぎると迷ったり、面倒に思えてきてしまうもの。
ストレスにならないことが大切です。
- シヤチハタ
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