印鑑に関する罪について

印鑑に関する罪について

印鑑を勝手に作ったり、使ったりするのは犯罪。たとえ家族であっても許されません。印鑑は気軽に使ってしまいがちですが、「ちょっと貸して」は立派な犯罪です。 2020年02月10日作成

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印鑑を勝手に作ったり、使ったりするのは犯罪。たとえ家族であっても許されません。印鑑は気軽に使ってしまいがちですが、「ちょっと貸して」は立派な犯罪です。 2020年02月10日作成

TOPIC 01

印鑑に関する法律

出典元:https://www.shutterstock.com

「ちょっと、はんこ、貸して」
「忙しそうだから捺しといてあげる」
「いないからちょっとはんこ、借りちゃおう」

そんなこともあったかと思いますが、実は他人の印鑑を勝手に作ったり、使ったりするのは法律で禁じられています。

ですから、ちょっと借りるのは法律に違反しているということになるのです。

刑法第19章「印章偽造の罪」というものがあり、詳しくは以下の通りとなっています。
・御璽偽造及び不正使用等に関する規定(刑法第164条)
・公印偽造及び不正使用等に関する規定(刑法第165条)
・公記号及び不正使用等に関する規定(刑法第166条)
・私印偽造及び不正使用等に関する規定(刑法第167条)
・印章偽造罪の未遂罪に関する規定(刑法第168条)

別に犯罪に使うわけじゃないから、ちょっとぐらい使ってもじゃない? と思われるかもしれませんが、印鑑は自分の分身のようなもの。それを無断で作ったり、使ってしまうと「印章偽造の罪」となります。

たかが「はんこ」ですが、されど「はんこ」なのです。

TOPIC 02

御璽偽造及び不正使用等は二年以上の懲役

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これは刑法第164条になります。

御璽(ぎょじ)というのは天皇が用いる大きな印鑑のことです。大きさは約9センチほどの角印で金でできていて、何と重さは約4キロもあります。「天皇御璽」と4文字が書かれた印鑑です。

印鑑は軽く捺すものかと思っていましたが、4キロを片手でポンというわけにはなかなかいかないでしょうからかなりたいへんな作業となりそうです。

平成から令和に年号が変わったときにもニュースになったので、覚えている方も多いと思います。

新年号に変わる時には天皇の署名と押印が必要になります。この天皇の署名と押印を「御名御璽(ぎょめいぎょじ)」と言います。

御所で陛下が署名と押印され、正式に「令和」となりました。

この印鑑が使われるのは、天皇の国事行事に伴い発せられる詔書・法律・政令・条約書・内閣総理大臣等の任命書などです。

天皇の印鑑である御璽を偽造したり、使ってしまうと二年以上の懲役が課せられます。逆に天皇の印鑑を使って二年以上って意外と軽いかも…もっと刑務所に入れといたほうがいいのでは? とつい思ってしまいます。


TOPIC 03

印鑑の不正使用は3年以下の懲役

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刑法第165条は、公務員の印鑑や署名を偽造すると2年以上の懲役に課せられます。

刑法第166条は、「○○省之印」印章や検印などといった公記号を偽造すると3年以下の懲役に課せられます。

刑法第167条は以下で三年以下の懲役に。
・他人の印鑑を自分が使う目的で偽造する
・他人の印鑑を不正に使う
・偽造した他人の印鑑を使う

このことから「ちょっとはんこ貸して」「いなかったからはんこ捺しといたよ」が法律違反となってしまうのです。

刑法第166条は、たとえ未遂であっても罰せられるということです。ですから、他人の印鑑を作ろうとしたことがバレてしまっても犯罪になります。

気軽に印鑑を捺してしまうこともあるでしょうが、印鑑が必要となるのはたいてい重要書類。ですから印鑑が捺してあれば本人が納得しているということと取られます。署名も同様です。

契約において最も重要な事というのは両者の合意。印鑑はそれぞれの合意を示すものなので仕事上の合意だけでなく、プライベートも同じ効力を発揮します。

たったはんこ1本ですが、その力を改めて感じてしまいました。家族が一緒なら家の引き出しの中にはんこがゴロゴロしていると思います。たとえ家族でも有印私文書偽造罪になります。

気軽に印鑑を貸し借りしたり、無断で使用することのないよう気をつけましょう。また、トラブルを防ぐためにもしっかりと内容は把握しておくことが大事です。

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