委任状ってどんな書類?
出典元:https://www.shutterstock.com
突然、委任状が必要ですと言われることがあります。そうは言われても委任状って何だろう、どうやって作ればいいんだろう…と悩んでしまうかもしれません。
そもそも委任状というのは一体、何なのでしょうか。
漢字から「委任」は「自分に代わってしてもらいこと」ですから、そんな書類であることがわかると思います。
その通りで委任状とは、本来なら自分が行うべき手続きを、代理人に委任することを保証すると記載した文書のことです。
たとえば、
行きたくても時間が合わない
遠くてとても行けない
入院や病気のため行くことができない
手続きが難しくてできない…
といった理由などから、本人がどうしても行けないときに権限を別の人に頼むことができます。
それが「委任状」なのです。
委任状は申請内容によっていくつかの種類がありますが、身近なところでは役所や銀行といったところで見られます。役所では住民票の申請、銀行での住所変更などの手続きで、この委任状が使われます。
委任状を書くときの注意点
出典元:https://www.shutterstock.com
委任状は悪く言えば、それを持っているだけで犯罪にも利用が可能です。世の中には悪人がいるのは事実ですから、トラブルに巻き込まれないように手を打っておくことも忘れないようにしましょう。
1. 有効期限は3ヶ月以内
委任状の有効期間は正式には決まってはいませんが、たいてい公的な書類の有効期限は3ヶ月程度と決まっています。
ですから、3ヶ月を目安にしてそれまでに使うようにします。そもそも本人が行けないから頼むのですから、そんなに引き延ばしているのも問題です。また、あまりに古いものは公的機関では受け取ってもらえないことがあります。
2. コピーをとっておくこと
作成したときは後日確認することもあるかもしれないので、必ずコピーを取っておくようにしましょう。また、すぐに確認できる写メも一緒に撮っておくと便利です。
3. 余白ができたら「以下余白」
勝手に改ざんされないためにも余白ができた場合は、念のため「以下余白」と書いて、横にはんこを捺しておきましょう。
また、改ざんされてしまったとしても、本人がそんなこと書いた覚えはない! といくら主張しても後の祭りで、一切認めてはもらえません。委任状を作るときは慎重になることが必要です。
4. 白紙委任状は慎重に
委任状には、委任者、受任者の名前、委任事項の詳細などを記載しますが、これらの記載の一部が空欄となっているものを白紙委任状と言います。
勝手に改ざんされる可能性がありますので、法的なリスクが極めて高い書面です。このような白紙委任状には容易に署名・サインをしてはいけません。
委任状の書き方
出典元:https://www.shutterstock.com
委任状には種類によって多少必要なものが違ってきますが、基本的には以下を記入します。
1. 委任年月日
2. 委任者の氏名・住所
3. 代理人の氏名・住所
市区町村によっては、生年月日等の記入を求められる場合があります。
4. 委任内容
委任する「住民票の異動届(転出・転入届)」や「各種証明書の交付」「印鑑登録の申請」など依頼する手続きの内容を具体的に記入します。
5. 押印
押印するはんこは認印か実印かは内容により変わってくるので、必ず確認しておくようにしましょう。ただし、朱肉のいらないシャチハタ印はNGです。実印の場合は、併せて印鑑証明の提出が必要となってきます。
委任状は本人に変わって何らかの申請を行うものです。ですから、委任者本人が書くことが基本です。
しかし、中には事故や病気で文字が書けないということもあるでしょう。
意思表示ができれば、代筆が認められることもありますが、委任者に意識がないときは認められません。
意思表示ができるときは下記内容を基本的に記載しますが、申請する場所によっても違ってくるので、これも確認しておくようにします。
・代筆しなければならない理由
・代筆者氏名
・委任状の内容は本人に了解を得ていること
・了解を得た証明として委任者の拇印
委任状は手続きを行えない人が代理人にその手続きを頼むときに必要とされる書面。法的効力も発生するので、委任状を書くときは慎重になることが必要です。
- 知識
- VIEW:17,464