日本のはんこ「国璽」と天皇の印鑑「御璽」

日本のはんこ「国璽」と天皇の印鑑「御璽」

日本にとって最も大切なはんこである「国璽」と「御璽」を知っていますか? 2018年09月25日作成

  • 知識知識
  • VIEW:1,420

日本にとって最も大切なはんこである「国璽」と「御璽」を知っていますか? 2018年09月25日作成

個人や会社と同じように、国や天皇陛下にもはんこがあるということを知っていますか?

日常生活において、様々な場面ではんこを捺す機会がります。
はんこは個人の証明にもなり、重要な契約を結ぶことができます。

国や天皇が持つはんこも同様に大切な意味を持っています。

今回は、日本のはんこである「国璽」と天皇の「御璽」についてご紹介します。

TOPIC 01

国璽(こくじ)とは

出典:https://www.shutterstock.com

国璽とは日本の国を表すはんこで、世界に1点しかありません。
この国璽は、明治4年(1871年)に制定されました。

国璽が制定される前までは、国の印というものはありませんでした。
明治4年に御璽を作り直すときに、同じように国璽も作られました。

最初は資源削減のために石材で作られましたが、国を代表する印に向かないということで、その後金製に作りかえられました。

「大日本国璽」と彫られている金印で、三寸(9センチ)四方の角印です。
金製のため、4キロほどの重さがあるそうです。

現在では条約の最終確認や勲記(受勲社と勲章と共に与える証書)の際に用いられます。

TOPIC 02

御璽(ぎょじ)とは

出典:https://www.shutterstock.com

御璽とは、天皇陛下がお持ちのはんこで世界に1点しかありません。

代々皇位継承するときに引き継がれて、今上天皇しか持ったことのない極めて特別な印鑑です。
「天皇御璽」と彫られた大型の純金製の印で重いので係の人が2掛かりで押印するようです。
事実上は天皇陛下ご自身ではお使いにはなりません。

新書、詔書、条約、批准書、信任状など国ごとの重要な文章に用いられます。

御璽の歴史は古く、飛鳥時代701年の大宝律令で、当時はまだ「内印」(内=天皇)と呼ばれていた天皇御璽が規定された、というところまでさかのぼることができます。

璽の意味

古代中国の秦の始皇帝のときから、皇帝の印鑑は「璽」と呼ばれていました。
それにならって、日本でもその他の「印章」と区別して璽と呼ばれるようになったのです。

国璽はは明治時代につくられたものなので、意外と古いものではありません。

そして1871年の2年後、1873年(明治6年)には国民の印鑑登録制度が制定されます。
これは、重要な契約には、必ず署名の隣に印を捺す決まりです。

その印は役所で本人であることを表す証明書をもらうこと。
この印鑑登録制度により、日本の国民が印を持つ権利を与えられました。

当時欧米のサイン文化を導入する声もありましたが、結果的に中国の官令制度をまねる形になりました。

TOPIC 03

海外の国璽

出典:https://www.shutterstock.com

イギリスやアメリカではグレートシール、フランスではグランソーと呼ばれます。
いずれも「国の璽」という意味です。

イギリスやフランスでは、このグレートシールを管理する専門の役職が存在します。
欧米では、アジアのような朱肉で捺すタイプではなく、ロウを溶かして押し付けるタイプです。
形は平らな円盤型で、裏には絵柄も彫ってあります。

イギリス:グレートシール
ほとんどの重要な公文書に押印される印章です。国家・イギリスの公文書には目的別に色を分けて押印されます。

アメリカ:グレートシール
国・地方政府・教会などの重要な職員が、書類に捺す印章です。
13本の葉のついたオリーブ枝と、13本の矢とそれぞれの足に握っている鷹が描かれています。

フランス:グランソー
自由と正義の象徴を掲げ持ったジュノの姿が描かれています。

中国:中華民國之璽

日本と同様に朱肉で押印するタイプです。中華民國之璽とタテ書きで彫られています。
日本の国璽が金印なのに対し、中国の国璽は翡翠(ヒスイ)でできています。
一辺13.3センチの角印で、高さは4.3センチ、重さは3.2キロあります。

韓国:大韓民国
戦後大韓民国が誕生した時から作られており、1949年に第一代国璽が作成されました。「大韓民国」」とハングル彫刻されています。
一辺10.4センチの角印で、重さは3.38キロ。韓国の国璽も大変重いものです。
金2.6キロに、銀、銅、亜鉛などを加えた合金でできています。

TOPIC 04

国璽と御璽はもっとも権威のあるはんこ

出典:https://www.shutterstock.com

国璽と御璽は、日本にもおいて最も権威のあるはんこです。
しかしながら終戦後、学校で国璽や御璽を教えられずに育った若者がたくさんいます。

それと同様にはんこ文化を軽視する声も増えて来ました。

現在、印鑑登録制度がまだ生きていて、はんこを日常的に使うのは日本だけです。
もともと日本の制度をまねて導入した韓国や台湾も、この制度は廃止になりました。

個人や法人におけるハンコ文化は日本独自のものとなっています。

欧米ではサインだけで済ませてしまう大切な契約や承認を日本では捺印にて行います。
律儀に物事を進める日本人の姿勢とはんこは相性が良いのです。

またビジネスの場においても、高度経済成長期の中、仕事の効率化をはかるためはんこはとても重宝しました。
サインより早く捺せて、誰が見てもひとめでわかるはんこは、書類の確認に最適であったのです。

国璽は国の象徴であり、御璽は天皇のための証です。
そして、あなたが持っている実印はあなたを表す証です。

  • 知識知識
  • VIEW:1,420