そもそも印鑑の「アタリ」ってどんなもの?
出典元:https://www.shutterstock.com
なかなか印鑑をよく見ることなどないかもしれませんが、一度、よく観察してみましょう。
印鑑の真ん中部分に凹みがあるものとないものがあります。また、突起物がある場合もあります。この凹んだところや突起物を「アタリ」と呼びます。
では、一体、この凹んだ「アタリ」は、何のためについているのでしょうか。
じつは印鑑を捺すときにひっくり返してどっちが上下かを確かめなくても、アタリがあれば確認せずに済みます。
実印などは「篆書体」や「印相体」で彫られていることが多いと思います。これらの書体は見慣れないものですから、よく読めませんし、よく見てもどっちが上か下かがわかりません。
ですから、いざ捺そうとした時に困ってしまいます。早く捺したいのに、ジーッと印面を見ているのではかっこうも悪いと思います。
これを解消するためのものが、このアタリなのです。アタリは『こっちが上だよ』という印なので、アタリがある方が上です。
ですから、持ったときにアタリが上になっていれば正しい向きで印鑑を捺すことができるというわけです。
また、アタリと呼ばずに「サグリ」と呼ばれることもあるので、ついでに覚えておくようにしましょう。
アタリにスワロフスキーを入れておしゃれに
出典元:https://www.shutterstock.com
アタリは凹ますだけでなく、おしゃれな石も店舗によっては入れることができます。
スワロフスキー社製クリスタルガラスや、色つきの宝石を入れればまた、違った雰囲気にもなります。
誕生石で選べば宝石が守ってくれると言われています。
誕生石は18世紀にポーランドの宝石商によって考えられたものです。しかし、宝石商によってバラバラだったため、1912年米国宝石組合大会で世界的に統一されるようになりました。
国によって採れる石が違うので、国内事情を反映し、少々修正がされているようです。
1月:ガーネット(柘榴石)
2月:アメジスト
3月:アクアマリン
4月:ダイヤモンド、水晶
5月:エメラルド、翡翠
6月:パール、ムーンストーン
7月:ルビー、カーネリアン
8月:ペリドットサードオニキス
9月:サファイア、ラピスラズリ、アイオライト
10月:オパール、トルマリン、ローズクォーツ
11月:トパーズ、シトリン
12月:ターコイズ(トルコ石)、タンザナイト、ラピスラズリ
スワロフスキーなら、光にあたればキラキラと輝き出すので、美しい印鑑になります。それを持つ手元もキラキラするので、魅力的な手元になるというわけです。
アタリは必要?それとも不要?
出典元:https://www.shutterstock.com
「アタリ」がついていることで、上下がわかるのですが、あえてアタリをつけない印鑑も少なくありません。でも、高級な印鑑をわざわざ削らなくてもいい、印材がもったいないという理由ではありません。
では、つけない理由とは何なのでしょうか。
実印や銀行印は大事な契約にしか捺さないものです。車のほか、土地やマンションを買ったというような時にはどうしても実印が必要になります。
お金持ちなら何度もそんなシーンはあるでしょうが、普通の方なら人生の中でそう何度もあるものではありません。
そんな契約書に確かめもせずに印鑑を捺してしまったら、もう取り返しがつかなくなります。
もし、アタリがついていると、契約内容をよく確認もせずにポンポンと捺してしまうかもしれません。しかし、アタリがないと印鑑を捺すのも時間がかかるものです。
印面の上下を確認するためには、どうしても一呼吸置くことになります。この間を取るためにアタリをあえて入れないということなのです。
どういうことかというと、重要な契約をするときは、本当に印鑑を捺して良いのかどうか、よく考えてから捺しなさいよという警告の意味を持っているのです。
アタリがないということは、そんな深い意味があるのです。
印鑑を捺すときは、アタリがあろうがなかろうが、もう一度捺す前に、内容をしっかりと確かめるクセをつけるようにしましょう。わからないことはわかったフリをせず、どんなにくだらないことでもしっかりと聞くようにしましょう。
- 知識
- VIEW:828