はんこの印材選びに役立つ、人気印材を紹介します。
はんこの印材には、動物性、金属製、天然石などがありますが、今回は木製の印材をまとめてみました。
木製の印材は欠けやすいというイメージを持っている人がいるかもしれませんが、中には特殊な加工を施したものがあり、耐久性は動物性並み。
今回は、そんな木製の印材のなかでも人気が高いものをご紹介します。
木製の印材の特徴や、お手入れ方法もあわせてご紹介します。
印材としての「木」の特徴
出典:https://www.shutterstock.com
木製印材は古くから愛されてきた印材です。
木製の印材を大きく分けると、
・天然木を切り出してそのまま印材の形に加工したもの(天然木)
・圧縮することで比重を高めて、耐久性を高めたもの(圧縮木材)
の2種類があります。
木材は直射日光や急な乾燥、湿気に弱く、朱肉の油を差し込むことで脆くなりやすいのも特徴です。
木材は比較的安価なものも多いですが、圧縮加工を施してあるものは高価なはんこです。
おすすめ印材紹介
出典:https://www.shutterstock.com
木製の印材は、木の種類や製造方法で価格帯が大きく異なります。
木製の印材のなかでも人気の高いおすすめの印材を紹介します。
薩摩本柘(さつまほんづけ)
柘とは、黄(つげ)の木から切り出した印材のこと。
古くからそろばんや櫛などの木製品の材料として使われてきました。
全体的に黄味がかっていて木目のキメが細かいので、手頃な印材として利用されています。
柘の中でも最高級品が薩摩本柘にあたります。
柘の元木は成長が遅く、成木まで50年以上かかります。
そのため繊維がしっかり詰まっていることから、硬度が高く扱いやすいのが特徴です。
黒檀(こくたん)
黒檀は、世界で最も良質な木と言われているほど、堅く強靭で耐久性に富んでいます。
はんこ以外には、高級家具や楽器、工芸品などにも使われる高級印材です。
油分を含んでいるので、使えば使うほど味が出てきます。
黒檀は、木そのものが切ると黒いのが特徴で、磨くと独特な光沢がでます。
虫にも食われにくく、半永久的な耐久力があります。
白檀(びゃくだん)
白檀は甘いかおりが特徴的で、捺印するたびに高貴な香りが漂う気品あるはんこです。
もともと、香木として紀元前5世紀ごろからインドで使用されてきました。
過剰な伐採や輸出制限で希少価値が高まり価格は高騰化していますが、その穏やかな香りが印鑑を持つ人に安らぎを与え、魅力にはまってしまう人も多い印材です。
素材は繊維が細かく、仏像や装飾品にも使用されています。
彩樺(さいか)
圧縮木材の代表格といえば彩樺です。
彩樺は北方寒冷地で産出される真樺と、フェノールレジンの結合素材で高圧加熱処理をした印材。
素材を圧密化することで、木材の中でもトップクラスの耐久性を誇ります。
通常の木材よりも数倍強く、伸縮およびひび割れの少ないのが特徴。
美しい木目がはっきり出て、その独特な木目からはぬくもりを感じられます。
神楽檜(かぐらひのき)
島根県産高級ひのき、鳥取県の高級杉の間伐材や端材をそれぞれ利用した地球に優しいエコ印材です。
これまで高級材として知られるひのきや杉などの針葉樹は軟質な木材で、柘や楓などの広葉樹に比べると硬度が劣るので印材には不向きとされていました。
神楽檜は特殊な圧密加工を施すことで、天然の風合いは損なわず、印材として必要な硬度を実現しています。
高温の水蒸気で一時的に軟度を高めた状態から圧縮していくので(加熱圧密加工)、完成した印材は天然技そのもの。
ひのきの優しい香り成分も密度濃く含まれているので、香りが増すのも圧縮木材の特徴のひとつです。
アグニ
アグニは環境破壊、資源枯渇から地球環境保護を考え開発された印材です。
北海道産の真樺を、りんごの皮をむくようにスライスした単板に、フェノール樹脂を浸し、必要な厚みに積み重ねて熱圧整形したものです。
神秘的な赤褐色と奥深い輝きを兼ね備えたアグニは、美しい木目が魅力的。
温かみのある赤色のアグニ特有の風合いと、木目調のコントラストが高級感を与えます。
割れや歪みなどの変形にも強く、捺印性は動物性の角や牙に劣らない優秀な印材です。
はんこのお手入れ方法
出典:https://www.shutterstock.com
今回は、木製の印材について紹介しました。
木材は
・直射日光や急な乾燥、湿気
・朱肉の油
に弱いので、お手入れもきちんとする必要があります。
具体的には、
・朱肉をつけすぎない
・捺印マットを使う
・使用後は柔らかい布で朱肉を拭き取りケースで保管する
当たり前のことのようですが、この3つをしっかり徹底することでひび割れや目詰まりなどからはんこを守ることができます。
はんこが使えなくなってしまう主な原因は朱肉の汚れです。
つけすぎた朱肉が印材につまり油が固まって取れなくなります。
そうならないためにも、使用した後は必ず拭き取りましょう。
また、捺印マットを使いつける朱肉の量をつけるのもおすすめです。
定期的に印鑑ブラシで奥の汚れを取ると、綺麗な印影を維持することができます。
- 知識
- VIEW:263