会社を設立するときに必要な印鑑とは?

会社を設立するときに必要な印鑑とは?

新しく会社を立ち上げる時には、社名入りの印鑑を作成する必要があります。作成すべき印鑑の種類から、印鑑登録に至るまでをまとめて解説! 2018年07月23日作成

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新しく会社を立ち上げる時には、社名入りの印鑑を作成する必要があります。作成すべき印鑑の種類から、印鑑登録に至るまでをまとめて解説! 2018年07月23日作成

会社を立ち上げる時も、印鑑を作成するのをご存知ですか?
会社で使う印鑑にも種類があり、それぞれの用途で使われています。

「知ってはいるけど、作り方は詳しくわからない・・・」という方がほとんどでしょう。
印鑑は、会社の運を司るもの。慎重に作ることが大切です。

今回は会社を立ち上げるなら知っておきたい、印鑑の種類と、作り方について詳しくご紹介していきます。

TOPIC 01

会社の印鑑が必要な理由

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新しく法人会社を設立するときに、必要な作業が「印鑑の作成」。
法人会社は、法務局で会社で使う印鑑を登録する必要があるからです。

個人の実印を作成した時も、使う時は役場で「印鑑が本人のものであるか」を証明してもらう必要がありますよね。会社も同じなのです。

そして、本来なら会社を設立する時は会社実印1本で、契約や領収書などすべてまかなうことができます。
しかし、1本の実印を頻繁に使うと、「複製・偽造の問題」「紛失の問題」が出てきます。

「偽造・複製の問題」は、例えば領収書などに実印を捺した場合。
その領収書を手に入れた誰かが、捺された印影を元に同じ印面の印鑑を作成できてしまいます。
実印と銀行印を併用していると、多額のお金を引き出されてしまう可能性があります。

「紛失の問題」は、使う機会が多いと無くしやすいというリスクが高くなります。 1本の実印を無くしてしまうと、会社を経営できなくなるほど大変なことになります。

このような事態を避けるためにも、会社の印鑑は分けて使うのが一般的。

用途に合わせて、

・会社実印(代表者印)
・会社銀行印
・角印
・ゴム印

この4種類を使い分けている企業が大半です。

 

印鑑の用途

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次に、4種類の印鑑をどのように使い分けるのか見ていきましょう。

会社実印

会社実印は、おもに社外との重要な契約、意思決定に使います。
個人の実印と同じような使い道ですね。

印鑑は契約の信用度を高めるもの。
印鑑が捺(お)されていることで、間違いなく本人が契約したことを示すことになります。

そして、実印を捺す時には、印鑑証明書を契約相手に提出するのが決まりです。
この書類によって、印鑑が会社のものであることを証明できるのです。

通常は1つの会社に1本ですが、代表者が複数人いる場合には複数所持することも認められています。

会社銀行印

会社銀行印は、法人が口座を開設する際に金融機関に登録する印鑑のこと。
その名の通り、法人が金銭を動かすときに使います。

おもな使い道は、預金の引き出し、手形や小切手を発行するときなど。

会社実印との併用も可能ですが、盗難や紛失のリスクを考慮し、区別して利用することを推奨しています。

角印

角印は、会社の印鑑の中でもっとも使う機会の多いもの。
角印は、会社における「認印」の役割を果たします。

おもな使い道は、請求書、領収書、納品書など。

会社実印(代表社印)とは異なり届け出の必要はありませんが、書類が会社のものであることを証明します。

ゴム印

ゴム印は事務作業で使われる印鑑。
使う頻度が多いので、作り変えやすくて力を入れなくても押しやすい「ゴム製」が採用されています。

おもな使い道は、伝票や郵便物など、住所・電話番号・社名を記載するときに使われます。

会社の印鑑には上記にあげた以外にも使われている場合があります。

たとえば、
・役職印・・・理事・専務・支店長など会社の身分を証明するための印。
・資格印・・・弁護士、税理士など資格を証明するための印。

印鑑の種類は以上になります。
ここからは、具体的な作成方法をみていきましょう。

TOPIC 02

会社実印・銀行印の作り方

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次に、具体的な印鑑の作り方を見ていきましょう。 作成するポイントとして

・大きさ
・書体
・材質
・持ち手の種類
・彫り方

があります。項目ごとにみていきましょう。

 

大きさ

会社の印鑑は、個人の印鑑より大きめにつくるのが一般的です。

一般的に、会社実印は18〜21ミリ、銀行印は16.5〜18ミリでつくられます。
実印と銀行印の大きさをわけることで、同じ場所に管理していてもパッと見分けることができます。

書体

会社の印鑑に使われるものは一般的に、
「印相体(いんそうたい)」「篆書体(てんしょたい)」の2つが多いです。

偽造・複製の問題があるので、一目で読みやすい古印体や明朝体はあまり使われません。
印相体は、その文字の複雑さと枠が接する部分が多く欠けにくい点で人気が高く、篆書体は、お札にも使われている可読性の低い書体です。

実印を印相体、銀行印を篆書体で作ると、見分けがつきやすいのでおすすめです。

材質

会社の印鑑は社名が変わることがない限り、作り変えることはありません。
長く使うために耐久性に優れ、なおかつ重厚感と威厳を感じさせる印材がいいでしょう。

ここでは、よく使われることの多い印材をご紹介します。

・象牙(ぞうげ)・・・象のツノでつくる、とても希少価値の高い材質。耐久性もあり、捺印に優れています。印材の中でも最高級品といわれています。

・チタン・・・金属製なので、他の材質にはない「重み」が特徴。このため、契約の際には力強く押すことができます。

上記2つは会社の印鑑をつくる時によく使われる材質ですが、値段も相応です。

もう少し費用を抑えたい場合には「黒水牛(くろすいぎゅう)」がおすすめです。

・黒水牛・・・水牛のツノからとった材質。安価のわりに粘り気が強く、耐久性に優れています。また、材質の黒色が落ち着いた風格を出してくれます。

持ち手の種類

文字の掘り方

会社実印・銀行印の持ち手には、持ち手が凹んでいる「天丸型」と、凹みがなく真っ直ぐな「寸胴型」の2種類あります。

一般的には、天丸型が人気ですが、それぞれの特徴をみていきましょう。

・天丸型・・・上面に丸みがあり、持ちやすいタイプ。キャップが付いているので傷がつく心配がありません。

・寸胴型・・・印鑑は円柱や角柱タイプ。値段が安く、キャップをなくす心配がありません。

会社実印は個人の実印のように縦に彫ることもできますが、一般的には外枠の周りを囲む「回文」と、円の中心の枠に縦2列で彫られる「中文」で彫られます。

・回文・・・外枠の周りを法人名や組織の名称で囲むように彫られます。
・中文・・・所有者の情報を入れます。株式会社なら「代表取締役」と入れるのが一般的。

一昔前は、社長の名前を入れるのが多かったのですが、代替わりで作り変えなければならないので、その風習は今ではほとんどありません。

また、銀行印は「銀行之印」といれます。

TOPIC 03

角印の作り方

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角印の大きさは、21ミリ〜24ミリの以内のサイズが一般的。
持ち手は、天丸型と寸胴型がありますが、天丸型が広く一般的に使用されています。

文字の書体も、実印などと同じく印相体や篆書体など分かりやすい書体が一般的。
法人でない自治体や、〇〇組合印などには読みやすい古印体が使われます。

角印作成の一番のポイントは文字のバランス。

角印は正方形の中に会社名をバランスよく配置しなければいけません。
そのため、必要に応じて「〜之印」や「〜印」を入れ込むことがあります。
このあたりは作成するはんこ屋さんにお任せしましょう。

TOPIC 04

ゴム印の作り方

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ゴム印は、住所、社名、電話番号を記名したもの。
ゴム印といっても、

・インク内蔵型のシャチハタタイプ
・木材を土台にしたゴム印
・プラスチックを土台にしたゴム印
・組み合わせ住所印

などの種類があります。

組み合わせ住所印は、社名、住所、電話番号がパーツごとにわかれており、必要に応じて組み合わせて捺(お)せるというもの。例えば、住所を記載しない場合でも便利に使えます。

TOPIC 05

作成場所

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会社実印、会社銀行印、角印、ゴム印、これらすべて作るには、それなりの値段がかかります。きちんと吟味した上で、慎重に選びたいものです。

印鑑を作る場合、「お店で頼む」「通販を利用する」の2つの方法があります。

それぞれのメリットデメリットを見ていきましょう。

お店で頼む場合

お店で頼む場合は、印鑑専門店、大型文具店のはんこカウンターで注文するのが一般的。

お店で頼む最大のメリットは、「店員さんに相談しながら選ぶことができる」こと。

彫り方や印材選びなど、初めての方にとってはわからないことがたくさんあります。
そんな時に、頼りになる店員さんにアドバイスをもらえるのは、とてもありがたいですよね。

ネット通販を利用する場合

シャチハタ・ネームペンの通販専門店【スタンプボックス】

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ネット通販のメリットとしては以下の3つがあげられます。

・値段が安い
・比較的早く届く
・印材の種類が豊富

店舗を持たないネット通販は、その分コストが抑えられているため値段が安いです。
また、お店では取り扱いのない印材も多く、自分の好きな印材で作成することが可能です。

TOPIC 06

会社実印の印鑑登録〜証明書発行の流れ

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最後に、作成した会社実印の印鑑登録から、印鑑証明書発行までの流れをご説明します。

当たり前ですが、実印はただ作っただけでは効果を発揮しません。
第三者に認められることで、初めて効力を持つ印鑑なのです。

1.会社の管轄の法務局に行き印鑑届書をもらう
ここで注意したい点は、本店を統括している法務局に行くこと
例えば、事業所が愛知にあって、本店が東京にある場合には、東京の法務局に行く必要があります。
現在は、印鑑届書を法務省のHPからPDFファイル形式でダウロードすることも可能です。
2.印鑑届書に必要事項を記入して、登記所に提出をする
もし、会社設立の届出もある場合は、一緒に提出しましょう。

 
3.会社設立登記が完了後、印鑑カードの交付を申請します
印鑑カードは、今後印鑑証明書を発行する時に必要になります。 また、この時に、作成した実印が必要になります。

4.印鑑カードが交付完了後、印鑑証明書の取得申請をします
印鑑証明書は即日発行が可能です。
交付には、1通450円の手数料がかかります。
また、印鑑証明書には3ヶ月の有効期限を設けられている場合があるので注意が必要です。
TOPIC 07

印鑑の購入なら会社設立印セットがおすすめ

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会社の印鑑にも、さまざまな種類があることがわかりました。
本来なら、会社実印1本でも登録は問題ありませんが、実際に使うには用途によってわけるのが無難。

会社実印・銀行印は、

・大きさ
・書体
・材質
・持ち手の種類
・彫り方

の作成ポイントを抑えれば簡単に作ることが可能です。

印鑑を作成する時は、まず予算をきちんと決めることが大切。
会社の印鑑は作り変えることなく、何十年と使うもの。
その上で、作成したい印材を決めて、彫り方や持ち手を選びましょう。

お店でもネット通販でも、お得な会社設立印セットというものがあります。
会社設立に必要な印鑑がすべて揃っていて、ひとつずつ作るより値段が安く設定されています。
いずれ必ず必要になるものなので、最初にセットを利用して安く作るのをおすすめします。

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