プラスチック製のはんこ
出典元:https://www.shutterstock.com
世の中には不思議なことがたくさんあります。
たとえば役所に出す印鑑。
「シャチハタは不可」と書いてあったり、「朱肉を使うはんこを持って来て下さい」と言われたりするものです。
100均のはんこは文句なしで使えますが、それより高価なシャチハタは使えません。何だか、これって不思議です。
シャチハタはゴムで作られているから変形してしまう可能性があるからNGだというのですが、10年以上使っているシャチハタは変形することなく使っています。特に問題もありません。
ところが100均で買ってきたはんこはプラスチック製。これを落としたら、当たり所が悪かったのか即、フチが欠けてしまったのです。
値段ではないのかもしれませんが、やはり値段は大事だと思います。
購入後落としてすぐに欠けてしまった100均のはんこと、落としても欠けないシャチハタ…2つを見比べると何だか複雑な気持ちがします。
さて、このプラスチック製のはんこですが、最大のメリットは安いことです。
ただ、当然、まったく同じものが大量生産されています。どのくらいなのかは想像もできませんが、ポピュラーな苗字であればごまんと出ているはずです。
落として欠けてしまいましたが、デメリットとしてあげるのがやはり壊れやすいということ。
でも、役所でも使えますから、銀行印としても使えるはずです。さらに実印としても登録ができるでしょう。
しかし、どこでも売っているものですから、なりすましも簡単です。
三文判のメリット・デメリットとは?
出典元:https://www.shutterstock.com
大量生産されている安物のはんこを「三文判」と言います。
三文は江戸時代以前に流通していた通貨で一文銭三枚のわずかなお金のことで、「安い」という意味。
「早起きは三文の得」というところにも使われていますが、こちらは「早起きするとちょっとだけいいことがある」という意味で、決してお金が浮くという意味ではありません。
たとえ、三文判であったとしてもはんこははんこですから、受け取りや社内用の書類には使えます。
プラスチック製の印鑑は「ラクト」や「アクリル」といった合成素材が使われています。加熱するとすぐに柔らかくなり加工も簡単なので、工業製品の材料としてよく使われるものです。
しかし、加工しやすいということは、逆に変形しやすいという特徴があるということ。
ラクトには白と黒があり、高級印材である「黒水牛」と「象牙」にも見えるということから使われることがおおいようです。
白ラクトも、黒ラクトもとにかく安いのでちょっと忘れた時にとりあえず使う時には便利に使えます。
しかし、認印として使おうとすると、あまりおすすめはできません。なぜなら、認印ははんこの中でもいちばん使うものですから、耐久性があるものでないといけないからです。
その上、認印は何かと人前で使うことが多いものです。あまり安そうなものを使っていると印象もよくないので、できればきちんとした認印を持つようにしたいものです。
ですから、三文判は予備としてキープしておくようにするといいでしょう。
なりすましに注意!
出典元:https://www.shutterstock.com
さて、安いプラスチック製のはんこを実印や銀行印として登録することはできるのでしょうか。
実印として登録できる大きさなどが決まっているので、それを満たしていれば登録することができます。ですから、どんなに安い三文判であったとしても実印や銀行印として使うことは十分可能です。
しかし、ここで忘れてはいけないのが、そのはんこと同じはんこを持っている人が世の中には大勢いるということです。
ですから、そのはんこを実印や銀行印として使うのであれば、偽造や複製は簡単にできてしまうということ。
誰もがなりすましできるということになります。実印や銀行印は大切なはんこです。財産を守る砦というべきはんこが見知らぬ人に捺されて出金されてしまってはたいへんなことです。
しかも、そんな安物のはんこですから、暑い夏に窓際などに置いておけば、あっという間に変形してしまう可能性も大。しかも転がせば、欠けてしまう恐れもあるというわけです。
また、目詰まりもしやすいし、朱肉のノリもまったく違います。
ですから、それなりの印材を使った安心なはんこ屋さんに頼んで作ることをおすすめします。
好きな印材から選びたい「認印」
ご紹介する認印は、柘、黒檀、楓など好きな印材から選ぶことができます。
きちんとした認印を好きな印材で作っておけば安心できるので、ぜひ1本は作っておくように心がけましょう。
- 知識
- VIEW:986