はんこの印材紹介〜動物編〜

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はんこの王様「象牙」が人気な理由は?おすすめの動物性印材・お手入れ方法をご紹介します。 2018年09月25日作成

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はんこの王様「象牙」が人気な理由は?おすすめの動物性印材・お手入れ方法をご紹介します。 2018年09月25日作成

はんこの王様であるといわれる「象牙(ぞうげ)」。
象牙は名前の通り、ゾウのツノからできています。

今回ははんこの印材の中でも主流な動物性の印材の紹介です。

動物性の印材にはどのような特徴があるのでしょうか。
おすすめの印材やお手入れ方法も合わせてご紹介します。

どの印材にすべきか迷った時は、ぜひ参考にしてみてください。

TOPIC 01

はんこの王様「象牙」の特徴

出典:https://www.shutterstock.com

象牙は、はんこの材の中でも最高級品といわれるもの。
人気の理由には、大きく分けておもに3つあります。

象牙の人気理由

・高級性
象牙は、真っ白でなく黄みがかった落ち着きのある色合いです。
長く使えば使うほど、艶がでて深みが増します。
この色味が象牙の最大の特徴であり、他にはないブランド力なのです。

・耐久性
象牙は、耐久性はもちろんのこ、外部からの刺激に耐える力を持っている材。
扱い次第で一生使えるので、縁起が良いとされ、印鑑に使われます。

・捺印性
象牙は、朱肉のつきの良さが優れているのため、色濃くはっきりと捺印ができます。
印鑑自体にも重量感があるため、力をかけずに押すことができます。

象牙のランク

象牙は、切り取る場所によって値段やランクが異なります。
具体的には、外側から中心に向かって「外皮層」「中皮層」「中心層」といいます。

中心に近いほど高い繊維密度で、目が細かく密度といわれています。

中心層のなかでも最高級品なのが、横目芯持ち象牙、別名「日輪」です。

日輪は、象牙のなかでもとりわけ希少価値が高いもの。
象牙から印鑑の形に切り抜く時に、芯をふくむ中心部を通り、牙を真っ二つにするように切り取ったものです。

印鑑を選ぶ時には、単純に値段ではなく「芯持ちであるか」を確認すると、耐久性のある安全な印材を選ぶことができます。

TOPIC 02

おすすめ印材紹介

出典:https://www.shutterstock.com

象牙以外にも、人気のある動物性の印材を紹介します。

黒水牛(くろすいぎゅう)

黒水牛は、ベトナムを中心とした、東南アジアの水牛のツノを加工した印鑑材料。
はんこ以外にも、ボタン、包丁の柄、料理ばし、アクセサリーとしても利用されています。

天然素材が生み出す柔らかい黒色とかすかな縞目が特徴。
象牙よりも値段が安価なうえに、耐久性があるのでスタンダードな印材です。

黒水牛にもランクがあり、角の先端にあたる部位を使用した印面側の芯が小さいものが良質だと言われています。

白水牛(オランダ水牛)

飴色・クリーム色で透明感のあるボディが特徴。
なめらかで落ち着いた色合いで、独特の高級感があります。

耐久性・捺印性は象牙に劣らず、手に馴染みやすく持ちやすいので綺麗な印影を残すことができます。

水牛の角の中では特に硬質で強い粘り気があります。
オランダ水牛のなかでも芯持ちは、茶系のラインがほとんど入らない極めて貴重な「純白」と称される印材です。

マンモス

一万年以上前の氷河期に生息していた、マンモスの牙です。
マンモスの牙は、ロシア・ユーコン・アラスカ・シベリアなどで数多く発掘されています。

すでに絶滅した動物の印材ですので、普通の象牙に比べても希少価値が高い印材です。

朱肉にもなじみやすく硬度が高いため、長年使い続けられる印材として重宝されます。

数千年の時を超えた、ロマンあふれる印材です。

マッコウクジラ

印材としては、大変貴重で珍しいものです。
体長20メートルにもなる巨大クジラの歯を印材として使っています。

マッコウクジラの印材は、通常1本の牙から1本の印材しか作れません。

硬度が高く気品あるツヤで、魅力ある製品です。

TOPIC 03

はんこのお手入れ方法

出典:https://www.shutterstock.com

今回は、動物性の印材の紹介をしました。
動物性の印材は昔から高級品として人気がありました。
捺印性が高いのが特徴で、捺印の気持ち良さは他の材質に劣りません。

日本ではバブル全盛期に象牙が大人気でしたが、今は輸入制限により人気は落ち着いています。
それでも、価値は変わらず高級品として扱われます。

最後に簡単なお手入れ方法の紹介です。
象牙は耐久性が高いことで有名ですが、実はとてもデリケートな素材です。

特に「水分」「乾燥」「温度」にはしっかりと気をつける必要があります。

また、象牙は水分を吸収しやすい材質。
水洗いは、はんこが傷んでしまうのでおすすめできません、

また、特に冬場は暖房の有無で温度の差が大きくなるので気をつけなければいけません。
ひび割れの原因になるので、一定の温度の場所に保管するようにしましょう。

黒水牛やオランダ水牛で気をつけるべき点は「乾燥」と「虫食い」。

主成分がタンパク質なので乾燥に弱いのです。
絶対にむきだしのまま直射日光にはあててはいけません。

また、衣類と同じように虫に狙われやすいのも特徴。
タンスなどにしまう際は、はんこをケースにしまい防虫剤と一緒に保管しましょう。

乾燥を防ぐ手入れとして、椿油やオリーブオイルがあります。
こういったオイルで印鑑を定期的に磨いて掃除をすると保湿されて乾燥を防ぐことができます。

また、オイルで磨くとみやが出るので、黒水牛などは真っ黒の光沢を綺麗に保つことができます。

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