朱肉は印鑑に欠かせないものです。
実は、朱肉にも種類があることを知っていますか?用途によって使う朱肉が違うのです。
朱肉にも安価なものから高価なものまで幅広くあります。
朱肉を少し変えるだけでも、普段の捺印が見違えてキレイになります。
今回は、
・「朱肉」という言葉の語源
・朱肉の種類・用途
・シャチハタの朱肉商品
をご紹介します。
朱肉の語源
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「朱肉は何かの肉で作られているの?」
「朱肉の肉って何?」
結論から言えば、朱肉は何かの肉が使われているわけではありません。
そもそも朱肉・印肉は日本固有の言葉で、印鑑のはじまりである中国では「印色・印泥」と表現されています。
中国では、もともと油気のない朱砂が使われていました。
そして、元・明時代になると印材に石が使われるようになり、印色も油性の混ぜ物を加えるように改良されました。
では、なぜ日本では「朱肉」と呼ばれるようになったのでしょう。
その理由としては大きく二つあります。
一つ目は「言葉」の理由。
肉という言葉には「厚み・ふくらみのある物」といった意味があります。
また、ものの骨組みになる部分に加わったものという意味もあり、こういった言葉の意味から朱肉といわれたとされています。
二つ目は「使い方」の理由。
印鑑が使われる前は、自分の血を使って拇印を捺す「血判」が用いられていました。
やがて、判を捺すたび血を流すわけにはいかず、擬似血液を使うようになります。
これがのちの「朱肉」です。
このことから、自分の肉体を切って判を押していたので、「肉」という字を当てるようになったといわれています。
朱肉の種類
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朱肉には大きく分けて
・印泥(いんでい)
・練り朱肉
・スポンジ朱肉
3つの種類があり、それぞれ成分や用途が違います。
印泥(いんでい)
印泥は、古来中国より伝わった伝統的なもの。
朱砂、モグサなどの食物繊維、木ロウや松脂などを原料とし、ひまし油で練り合わせてできるものです。
印影のキレイさ、色の深み、変化やにじみが少ないなどが特徴で、落款印などの石のハンコに捺す際によく使われます。
印泥は付属のヘラで団子状にこねて、盛り上げてから使います。
乾きにくさと、細やかな手入れが必要なため上級者向けであると言えます。
練り朱肉
練り朱肉は、印泥をより使いやすくしたもの。
印泥が中国製に対し、練り朱肉は日本製です。
また、原材料は朱砂ではなく銀朱とよばれる硫化水銀です。
練り朱肉は、色合いや捺した風合いに深みがあり美しい仕上がりになります。
会社で使う社判など、大きな印鑑での捺印におすすめです。
乾くまでに時間がかかるのと乾燥や温度変化に弱いことから、携帯には不向きです。
スポンジ朱肉
スポンジ朱肉は、一般的に広く使われている簡易朱肉です。
植物性の油脂や合成樹脂、化学物質に顔料で色をつけてインク状にし、スポンジに染み込ませて作られます。
スポンジに朱肉が染みているので、すぐ捺印でき、携帯にも便利です。
また、従来の朱肉とは違いメンテナンスも簡単。
一方でスタンプ朱肉のインクは、色あせたり時間の経過によって印影が薄くなってしまうことがあります。
シヤチハタ製品の朱肉
最後に、シヤチハタ社で取り扱いのある朱肉の商品を紹介します。
シヤチハタは、物質を原子レベルの大きさで制御するナノテクノロジーを朱肉の開発に採用し「速乾シャチハタ朱肉」に取り入れています。
インキの顔料粒子をナノレベルまで小さくしてムラなく均一にコントロールすることで、
・朱肉の乾きが早い
・軽い力でもくっきり色濃い印影が残せる
という特長が、シヤチハタの朱肉にはあります。
シャチハタ朱肉(エコス)
スタンダードタイプの朱肉。
乾きが早く、にじみの少ないキレイな印影を残すことができます。
にじみの少ない鮮明な印影は、転写しにくく、耐久性にも優れているので長期保存書類への捺印も安心です。
オールマイティーに活躍できるので、多くの紙にキレイに捺せますが、コート紙やアート紙などのツルツルとした表面に捺すと乾燥が遅くなることがあります。
また、ノンカーボン紙や感熱紙への捺印は発色文字が消えたり、印影が変色することがあります。
速乾シャチハタ朱肉
速乾タイプのビジネスでの使いやすさが特長。
通常の朱肉の乾きが30秒に対し、速乾タイプの乾燥時間は約3秒。(コピー用紙に捺した場合)
速乾タイプですが、色濃くキレイに捺せるので、書類の捺印にも使えます。
また、耐久性に優れた朱肉の採用により、印影の長期保存性に優れています。
コピー用紙や上質紙への捺印におすすめ。
また、朱肉が完全に用紙内に浸透するため、転写による不正の心配がありません。
朱肉を使い分けよう
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捺す紙や、使う印材によって朱肉を使い分けるだけでキレイに捺印ができます。
たとえば、石の印材なら練り朱肉。プラスチックの印材ならスポンジ朱肉。
和紙や半紙には練り朱肉、契約書類やコピー用紙にならスポンジ朱肉。
シヤチハタ製品の朱肉は、繰り返し使えて印影のキレイさに優れているので、100均の朱肉とは使い心地が違います。
一度、普段使っている朱肉を見直してみてはいかがでしょうか。
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