実印や銀行印などの大事なはんこほど、使う機会が少ないですよね。
いざ、使おうと思ってタンスを開けたら、無くなっていた場合や、書類の申請中にどこかに置き忘れていた場合など、紛失するケースはさまざまですが、その際に対処法を知っておくと慌てずに済むでしょう。
また、万が一盗難されたとしても悪用されにくい保管方法とは?
今回は、はんこを紛失した場合にやるべきこと、はんこの保管方法について紹介します。
はんこを紛失した場合
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既製品の認印やシャチハタは、無くしても新しいものを買うだけで済みますが、実印や銀行印は書類の手続きをしなければいけません。
第三者による悪用のリスクが高まるので、早急に届け出を出しましょう。
実印を無くした場合
実印は、非常に大きい力を持つはんこです。
名前や住所などを知られている場合には、本人になり代わって、なりすまし契約をされる可能性があります。
実印紛失時の対処法は、以下の通りです。
1.役所で実印の紛失届けを出す
2.役所で改印届けを出す
3.警察に紛失・盗難届けを出す
まずは役所で、紛失届けを出し、印鑑証明書が発行できないようにします。
次に、新しいはんこを作った上で印鑑登録をし直します。これで初めて、紛失してしまったはんこの効力が無くなります。
警察で紛失届証明書・盗難届出証明書をもらっておくと、見つかった時に自分の元に戻ってくるかもしれません。
銀行印を無くした場合
銀行印は金融機関で使うはんこです。
銀行印を使って多額の金額を引き落とされたり、何らかの契約をされたりする恐れがあるので、こちらも早急に対処しましょう。
1.銀行で銀行印の紛失届けを出す
2.銀行で改印届けを出す
3.警察に紛失・盗難届けを出す
対処法は実印と同じです。銀行への紛失届は電話でも受け付けています。
新しいはんこをつくる(改印)
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次に、実印・銀行印を作り直すときに気をつけることを紹介します。
実印の改印
改印届を役所に提出する際は以下の持ち物が必要です。
・新しく登録する印鑑
・申請書(役所の窓口でもらえます)
・本人確認書
・印鑑登録カード
銀行印の改印
銀行印の改印にも以下の持ち物が必要です。
・通帳
・運転免許証、パスポートなど、顔写真入りの身分証明書
・法人の場合は、3ヶ月以内の印鑑証明証と実印
顔写真入りの身分証明書がないと、その日のうちに改印ができません。
改印で気をつけるべき点
前提として、はんこは同じ印影のものは二度と作れません。
同じものが複製できてしまうと、簡単に偽造されたり犯罪に悪用されたりしてしまうからです。
これは法律で決まっています。
(刑法167条「私印偽造罪・私印等不正使用罪)
以上の事から、はんこを紛失した場合は新たに登録し直す必要があるのです。
そしてもう一つは、実印と銀行印は絶対に兼用しないこと。
もし兼用しているはんこが紛失してしまうと手続きがとても大変になってしまうからです。
必ず、実印と銀行印は分けて作りましょう。
はんこの保管方法
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最後に、はんこの保管方法を「状態管理面」「防犯面」の2つの面から紹介します。
管理状態面
これから紹介するのは、はんこを長く大切に使うための保管方法です。
はんこは、乾燥や衝撃、過度な温度変化に弱いものです。
些細なことで、ヒビ割れてしまい、はんこ自体が使えなくなってしまう可能性があります。
まず、はんこは必ず印鑑ケースで保管しましょう。
そのままにしておくと、落とした時に欠ける可能性があります。
保管場所は温度・湿度の影響が少ない、タンスの中や押入れがおすすめです。
防犯面
盗まれない場所にしまっておくのも大切ですが、仮に盗まれた時に悪用されづらい方法があります。
・実印と印鑑証明書
・銀行印と通帳
・印鑑登録カード・住所や氏名が分かるもの
以上は、それぞれ必ず分けて保管しましょう。
重要な契約する時には、実印と併用して印鑑証明書が必要です。
どちらかが盗まれた場合は、紛失届を出して、実印を使用できない状態にする事で悪用されづらくなります。
しかし、2つ同時に盗まれると危険のリスクがグッと高くなります。
これは、銀行印も同じことが言えます。通帳がある事で多額の金額を引き落とされてしまう可能性があります。
また、印鑑登録カードがあれば、印鑑証明書が発行できますが、印鑑登録カードには氏名や住所が記載されていません。しかし、印鑑証明書を発行されてしまうと、印鑑を偽造される可能性が高まります。
つまり、防犯面での保管方法は、「一緒に使うものほど、分けて保管する」こと。
これが盗まれた時に起こる被害を最小限におさえる方法です。
はんこは大切に保管しよう
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いかがでしたか?実印は使う機会が少ないものですが、それだけ大切なものでもあります。
現に、実印を盗まれたり、偽造されたりする犯罪があとを絶えません。
いくら偽造されにくい書体で作っていたとしても、昨今の技術では容易く偽造されてしまうのです。
また、実印は高価な材料で作られていることがあります。
チタンや象牙など、転売されて高く買い取られてしまうこともあります。
そうならないためにも、印鑑は日頃から大切に保管しておき、もし無くしてしまった場合でも、焦らずに対処し、リスクも最小限におさえるようにしましょう。
知識
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