印鑑用語である「実印・銀行印・認印」
その具体的な定義って一体何?なぜ使い分ける必要があるの?使う機会は多いけど、はんこのことをよく知らない方も多いでしょう。
ここでは、それぞれのはんこの定義、使い道などを紹介します。
はんこの定義
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はんことは「個人や組織がその本人であることを証明する印(しるし)」のことです。
よく「はんこ」と「シャチハタ」を一緒だと認識している方がいますが、実際にはちがいます。シャチハタとは「朱肉のいらないインク浸透印のこと」です。シャチハタは承認に特化したもので本人証明にはなりません。またゴムでできているため、印影が変わりやすく、契約には使えない場合が多いです。
実印の定義
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実印とは「法的なちからを持っているはんこ」のことで、日本には1873年(明治6年)に印鑑登録制度というものが定められました。
これは「重要書類には名前の他に、印を押すこと」が義務付けられているからで、日本ではサインよりもはんこの方が効力を持っていることになります。
そして、その印を役所・役場で登録する必要があります。
登録されたはんこは「印鑑登録証明書」が発行されてます。そのとき初めて、はんこが「実印」となるのです。
では、実際にどういう場面で実印を使うのでしょうか。
実印はおもに、車の契約、土地の購入、ローン組みなどに必要です。これは本人のふりをした人が契約を結ばせないためです。
役場によって細かい規定は違いますが、基本的に以下のはんこは実印として使えません。
・8mmの枠内に入るもの、25mmの枠を超えるもの
実印なら、男性は15〜18mm、女性は13.5〜15mmが一般的です。
これは「夫婦で実印を保管する時に見分けがつきやすいように」というような理由もあります。
・他の人が既に登録しているもの
同じのを登録出来てしまったら本人証明にはならないですよね。ですから安いハンコは登録出来ない場合がほとんどです。
・名字・氏名の一部を組み合わせたもの
漢字の名前をひらがなにするのは良いですが、ひらがなを漢字に変換すると登録出来ません。
基本的には実印はフルネームで彫るのがほとんどです。
ですが未婚の女性に限っては、名字が変わることがあるため、下の名前だけで入れるの方も多いです。
他にも、
・はんこの一部が欠けていたり輪郭がないもの
・印面が変わりやすいゴム印など
・名前の他に職業や資格がはいっているもの
も使えません。
銀行印の定義
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銀行印とは「金融機関との取引に使うはんこ」のことです。
役所での登録などは必要ありません。おもに定期預金の引き出しなどに使います。
また、シャチハタ以外ならどんなはんこでも銀行印として使うことができます。
では、なぜわざわざ銀行印を作る必要があるのでしょうか。その理由を説明していきます。
実印との兼用した場合
実印を銀行印として使う場合は偽造の心配はないですよね。
しかし、もし実印を紛失した場合には、口座もすべて使えなくなってしまいます。
「身分証明」「銀行口座」一度に使えなくなるのは困りますよね。
安いはんこを銀行印として使う
100均のものなど、大量生産のはんこ(三文判)も銀行印として使えます。ですが、これもおすすめ出来ません。
もし、通帳を無くした時にかんたんに偽造されてしまう危険があるからです。
実際安いはんこの偽造はかんたんで、メーカーによる違いもほぼないと言われています。
銀行印を持つことのメリット
本来銀行印は口座ごとに分ける必要はありません。銀行印を一本持っておけばどの印鑑を登録したか忘れる心配もないのです。
実印と銀行印は、大きさや書体をわけて作ると、ぱっと見てわかりやすいです。
銀行印はひとまわり小さく、偽造されづらい篆書体(テンショタイ)で作ることが一般的です。
認印の定義
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認印とは「意思の確認、承認のためのはんこ」のことです。
主な使い道としては、履歴書や婚姻届、かんたんな契約書類などです。
もちろん承認としてはシャチハタも認印ではありますが、契約書には使えない場合が多々あります。
ちなみに、大きさは基本的に9〜10.5mmが多いです。
会社で使う場合、上役の人が大きいはんこを使うといったマナーもあります。
書体は誰でも読みやすい楷書体(カイショタイ)や古印体(コインタイ)で作ります。
もちろん認印として、100均で買えるはんこや、安い三文判でも使えます。
ですが壊れやすいデメリットがあるため、長く使うには柘植(ツゲ)という木で作るのがおすすめです。
実印が必要なとき
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社会人になって、初めて自分の車を買う時。そこで「実印」を作る方も多いですよね。
すでに両親が出生の時に作っていたり、成人のお祝いとして贈る方も多いようです。
また、今ではネットでも気軽に買うことができますが、はんこ専門店ではわからないことも丁寧に教えてくれます。
中には「実印・銀行印・認印」の三点セットで売っている場合もあり、後から作るよりはまとめて買う方がお得です。
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