外国人が定住する場合、必要な手続きって?

外国人が定住する場合、必要な手続きって?

外国人が定住する時に、何かと必要になるのが印鑑です。では印鑑はどのように作成しなければいけないのでしょうか。 2019年09月12日作成

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外国人が定住する時に、何かと必要になるのが印鑑です。では印鑑はどのように作成しなければいけないのでしょうか。 2019年09月12日作成

TOPIC 01

新しい在留管理制度で可能になった「印鑑登録」

出典元:https://www.shutterstock.com

2012年(平成24年)7月9日、外国人登録法が廃止され、新しい在留管理制度が施行されるようになりました。

これが「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律の施行期日を定める政令」という、絶対に覚えられないほど長いネーミングの制度です。

中長期間在留する外国人は日本人と同様に住民登録の対象となり、住民票が作成されるようになりました。この制度が施行される前は外国人登録法に基づき、住民票には記載されていませんでした。

この新しい在留管理制度により、名前のほか在留期間、顔写真が貼付された在留カードが交付され、民健康保険、介護保険、国民年金、教育、各種手当といった行政サービスが受けられるようになったのです。

入管法・入管特例法及び住民基本台帳法が変わったことで、中長期在留者および特別永住者の外国人は、日本人と同様に印鑑登録をすることができます。

ただし、印鑑登録をするためにはいくつかの条件があり、
・入管法上の在留資格を持っていること
・住民登録をしていること
・15歳以上であること
・3か月を超えて在留すること
これらの条件を満たしていれば住んでいる市区町村で印鑑の登録ができます。

ですから、逆に在留期間が3か月以下、在留資格が「短期滞在」、在留資格がない人は印鑑登録ができません。

TOPIC 02

外国人の印鑑登録に必要なものとは?

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印鑑登録の時には必要なものがあります。

基本的には本人が申請しなければなりません。しかし、やむを得ない場合のみ代理人申請が認められています。
また、本人申請の場合は即日登録ができますが、代理人申請の場合は即日登録はできません。

本人申請の場合
・登録する印鑑
・手続きする人の外国人登録証明書または在留カードなど証明するもの

代理人申請の場合
・登録する印鑑
・登録する人が自署・押印した委任状
・登録する人の国人登録証明書または在留カードなど証明するもののコピー
・代理人の本人確認書類

これらのものが必要なので、しっかり確認してから市町村役場に向かいましょう。

TOPIC 03

外国人が登録できる印鑑とは?

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まず、登録できる印鑑はひとつだけです。

認印で使うものならどんな印鑑でもかまいませんが、実印として登録するためにはどんなルールがあるのでしょうか。

・使える名前は住民登録してあるもの

まず、住民登録している外国人なら誰でも実印を登録することができますが、「住民基本台帳または外国人登録原票に記載されている氏名に限る」というのが前提になります。

どういうことかというと、簡単にいうと住民票に書かれている氏名または日本での名前の「省略のない氏名」「姓のみ」「名のみ」で印鑑登録ができます。

たとえば、住民票に「Anna Mirren」で登録された人がいるとします。この場合は以下の4種類で作成することができます。
1アルファベットによる氏・名の印鑑
例)Anna Mirren

2アルファベットによる氏のみの印鑑
例)Mirren
3アルファベットによる名のみの印鑑
例)Anna
4ファーストネームの頭文字とラストネームを組み合わせてつくられた印鑑
例)M.Anna

そのほか、市区町村役場の窓口で事前に通称や氏名のカタカナ表記を住民票に登録すれば、
アンナ、ミラン、アンナ ミランという印鑑も作ることができます。

また、ミドルネームがある場合、「ミドルネームのみ」「すべてイニシャルのみ」の印鑑は登録ができません。

住んでいる市・区役所等で若干の違いがあるため、前の表記方法がわからない場合は、住民登録している市町村に一度問い合わせをしてみることをおすすめします。

・規定がある印鑑の大きさ

実印の大きさは規定があり、一般的には直径8ミリ以上、25ミリ以下となっています。ですから、それより小さくても大き過ぎても登録することができません。

シャチハタはゴム製のため、変形する恐れがあるので登録することができません。

住民票の氏名にない文字を加えたものも登録することができません。登録してある名前だけが認められます。


外国人の方が日本で生活をする場合、部屋を借りたり、仕事をする時にも何かと印鑑が必要となります。印鑑を作る時にもいろいろなルールがあるので、しっかりとどんな印鑑が認められるのかを把握してから作るようにしましょう。

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