社会人になると、使う機会が増えるはんこ。
はんこにもさまざまな種類があり、誰かから教わることもなく自然と使うタイミングがやってきます。
そんな時に、事前に知識があれば困ることはありません。
今回は今更聞けない、はんこの種類とその使い方について、いちから解説します。
実印とは
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実印とは「法的な効力を持ったはんこ」。
主な使い道は、車の契約、ローンを組む時、土地の購入する時など。
重要な契約の時に実印は必要になります。
海外と違い、日本には印鑑登録制度があります。
重要な契約の時には、署名の他に捺印を捺さなければいけないという決まりです。
つまり、サインより本人証明である印鑑の方が重要とされているのです。
また、契約するときは、実印が本人のものであることを証明する書類(印鑑証明書)を同時に提出します。
印鑑証明書は、役所で印鑑を実印として登録すればもらうことができます。
つまり、はんこを作っても、役所で実印登録をしないと使うことができません。
役所で登録できる実印には様々な条件があります。
以下のような印鑑は登録することができません。
・8ミリ以下のもの、25ミリ以上のもの
・他の人がすでに登録している印面
・印面の一部が欠けているもの、輪郭がないもの
・ゴム印
・名字、氏名の一部を組み合わせてつくってあるもの
それぞれの役場により細かい条件は異なりますが、シャチハタは実印として登録できないので気をつけましょう。
銀行印とは
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銀行印とは「金融機関の取引に使用するはんこ」。
銀行印は役所で登録する必要はありません。
主な使い道は、口座の開設、定期預金の出し入れなど金融関係にかかわることです。
よく「実印と銀行印の併用はできるの?」という疑問を耳にします。
これは、「併用はできるものの、あまりおすすめしません」というのが答えです。
というのも、問題になるのが紛失した時。
実印と銀行印を併用していた場合、銀行印を作り変えるだけでなく、再度実印も印鑑登録し直す必要があります。
つまり口座と身分証をどちらも無くしてしまったみたいなものですね。
印鑑はとても大切なものです。
特に、実印は本人に成り代わって契約が出来てしまいます。
ですから、無くさないように大切にしまっておきましょう。
また、銀行印は口座ごとに分ける必要はありません。
ひとつ複製されづらい銀行印を作っておけば、同じ物を登録することができます。
「どの印鑑で口座をつくったかわからない・・」といった心配もありません。
認印とは
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認印とは、「意思の確認や承認のためのはんこ」。
主な使い道は、婚姻届や履歴書など。
実印より簡単な契約の際に捺印します。
また、郵便物の受け取りなどにも認印を捺します。
認印の中でも朱肉のいらないシャチハタは、サインで書くより早く押すことができます。
大きさは10.5ミリが一般的。
ただ、会社では上の人ほど大きな印を使うマナーもありますので注意が必要です。
認印は既製品がたくさん売られているので、オーダーして持っている人は比較的少ないです。
ですが、オーダーでは実印・銀行印・認印のお得な三点セットも販売されています。
実印を作るときは、ぜひそちらも検討してみてくださいね。
三文判とは
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三文判は「認印の中でも、出来合いの安いはんこ」のことを指します。
具体的には文房具屋や、100円ショップで売られているような既製品のものです。
三文判はオーダーでつくるはんことどのような違いがあるのでしょうか。
まず、材質。
オーダーの印鑑は、木の柘植(つげ)、牛のツノの黒水牛(くろすいぎゅう)など。
丈夫で欠けづらい素材が主流です。
象のツノで作る象牙(ぞうげ)は、希少価値が高く、縁起がとても良いと言われています。
一方、三文判の主流は、プラスチックの「ラクト」という材質。
ラクトは、木などに比べると欠けやすいという問題があります。
なので、登録の必要がある実印や、銀行印に三文判を使うことはおすすめしません。
では、三文判はどのような時に使うのが良いのでしょうか。
簡単な契約や、出先に急に必要になった時にとても便利です。
高価なものを持ち歩くのは、盗難の心配があります。
そういったときは、安いはんこを持つようにしましょう。
また、最近では「はんこの自動販売機」というものが設置されています。
これは、作りたい名前を全自動でその場で作成してくれるという便利なもの。
特殊な名字の方は、既製品での取り扱いがなく、値段が高くなりがちです。
はんこの自販機なら、ワンコインですぐ三文判を作ることができます。
はんこは一生物
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はんこは、用途によって、「実印・銀行印・認印」の3つに分けられます。
一見難しいように思えますが、一度理解すれば誰でも簡単に使い分けることができます。
はんこは縁起物であり、一生ものです。
その人の人生を写すと言われています。
最近では機械化が進み、はんこではなく電子機器などでの認証が増えてきました。
はんこを使う機会も昔に比べ少なくなり、はんこを軽く扱ってしまう人が増えています。
この機会に、今一度、はんこの使い方を見直してみてくださいね。
知識
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