シャチハタと印鑑を正しく使い分ける方法

シャチハタと印鑑を正しく使い分ける方法

シャチハタと印鑑では使う目的が異なります。その理由や具体的な使い道を解説。また、実印・銀行印・認印の定義についてもおさらいします。 2018年05月25日作成

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シャチハタと印鑑では使う目的が異なります。その理由や具体的な使い道を解説。また、実印・銀行印・認印の定義についてもおさらいします。 2018年05月25日作成

普段何気なく使う機会の多いはんこ。最近は朱肉のいらないシャチハタもあり、とても便利ですよね。日本は印鑑社会ですから、何かと使う機会がとても多いです。
ですが、印鑑のことをきちんと習った経験は少ないはず。
たとえば、シャチハタと印鑑はどのような違いがあるのでしょうか。

今回は印鑑とシャチハタそれぞれの定義や、使い道などを丁寧にご紹介していきます。

TOPIC 01

シャチハタと印鑑の違い

出典:https://www.shutterstock.com/

シャチハタとは「朱肉のいらないインク浸透印」のこと。
正式名称は浸透印、もしくはXスタンパー。

実は、シャチハタとはそもそも製品名ではなく会社名なのです。
シヤチハタ株式会社が浸透印の最初の開発に成功し、以来その代名詞となりました。

そして、気になるシャチハタと印鑑との違いですが、ズバリ
「シャチハタは印面がゴム製で出来ている」
ところなのです。

こういった経験はありませんか?
・バイトの面接で「シャチハタ以外の印鑑を持ってきてね」と言われた
・契約書に印を押す時に「シャチハタは使えません」と言われた

これは、ゴムで出来ているため、印影が変わってしまう可能性があるからなのです。
ですから、「印面が変わりにくい印鑑のが安全」といった理由から、契約書で使えないことがほとんどです。もちろんシャチハタは実印・銀行印としても使うことができません。

また、他にも印影が変わってしまう2つの理由があります。
・押した時の圧力によってインクの滲み具合が違うから
・シャチハタと印鑑で使われているインクが違うから

朱肉は紙によく染み込む染料インクが使われているのに対して。シャチハタは顔料インクが主流。顔料インクは耐光性が劣るため、日に当てると印影が変化する恐れがあるのです。

TOPIC 02

印鑑の使い道

出典:https://www.shutterstock.com/

では、シャチハタと印鑑の違いがわかったうえで、それぞれの具体的な使い道を紹介していきます。

印鑑は「実印・銀行印・認印」の3つの種類にわけられます。

実印

実印とは「法的なちからをもったはんこ」のこと。
主な使い道は、車の契約、土地の購入、ローンを組むときなど。

日本には「印鑑登録制度」があり、重要書類には署名の他に印を押す決まりになっています。
その時に使う印鑑が「実印」。実印は役所・役場で印鑑登録証明書を発行してもらって初めて力を持ちます。

実印として使う印鑑にはいくつか決まりがあります。(役所によって違いがあります)

・印面サイズが8mm以上、25mm以下であること
・誰も登録していない印面であること
・一部が欠けていたり、輪郭がなくなっているものは使えない
・シャチハタなどゴム印は使えない
・名前の他に職業・資格などが入った印鑑は使えない

銀行印

銀行印とは「金融機関の取引につかうはんこ」のこと。
使い道は、口座の開設、定期預金の出し入れなど金融関係全般です。

実印と兼用して使うことができます。
ですが、これはあまりおすすめできません。
なぜなら、紛失した時に口座も使えない、身元証明もなくしてしまうことになるからです。
口座を作り変えるのに加えて、全ての書類も登録し直さなければいけないのはとても大変です。

銀行印は、実印と大きさや書体を区別してわかるように保管しておきましょう。

また、よく勘違いされてる方が多いのですが、口座ごとに印鑑を分ける必要はありません。
銀行印一本あれば、どこの銀行でも口座を開設できます。

認印

認印とは「意思の確認、証明のためのはんこ」のこと。
使い道は、履歴書や婚姻届など書類の契約に使います。
大きさは、10.5mmと他の印鑑に比べて小さいのが特徴。
書体は誰でも名前が読めるような、古印体(こいんたい)が一般的です。

最近、100円ショップなどで買える安い認印(三文判)が一般的に使われつつあります。
もちろん認印として使う分には問題ないのですが、柘植(つげ)で1本作っておくことをおすすめします。
なぜなら、プラスチックは欠けやすい材質だからです。
また、実印・銀行印・認印は3本セットでお安く売られています。これは、成人のお祝いとしても人気があります。

TOPIC 03

シャチハタの使い道

出典:https://www.shutterstock.com/

シャチハタは認印の代わりとして使うことができます。
主な使い道は、荷物の受け取りや、オフィス用として。
朱肉やスタンプ台がいらないので、ポンっと押せてとても便利です。

また、シャチハタには「キャップレス9」という商品があります。
これは、フタを取り外す手間がなく、ワンタッチで捺印できるという優れものです。
リール式のストラップをつけて衣服につけるとポケットから取り出す必要もありません。
仕事柄はんこをよく使う人や、立ち仕事の方もスピーディーに押すことができます。

TOPIC 04

印鑑を正しく理解しよう

出典:https://www.shutterstock.com/

普段使っているはんこでもこれだけの違いと、ルールがあるのです。
それもそのはず。印鑑の歴史は長く、昔は身分証明としてとても重要なものであったからです。
今でこそはんこ偽造の危険性や、形式的なものを非難する声もありますが、おそらく印鑑社会はこれからも続いていくことでしょう。

そういったなかで、印鑑知識を正しく身につけ使用することは社会人としての基本的な心構えとも言えますね。
これを機に普段のはんこの使い方を見直してみてはいかがですか。

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